泳げない人のことを「カナヅチ」と表現します。
これは、木槌(きづち)は水に浮くが金槌(かなづち)は水に入れると即座に沈み
浮かび上がらないことから来ているそうです。
ここで疑問です、泳げない人は水に入ったら本当に沈むのでしょうか。
そもそも人間の身体は水に浮くのでしょうか、それとも沈むのでしょうか。
物が水に浮くかどうかは比重(体積当たりの重さ)で決まります。
水より比重が小さければ浮きますし、比重が大きければ当然沈みます。
人間は息をいっぱいに吸った状態だと、肺が浮袋の役割をするため水より比重が
小さくなって浮きます。
しかし、息を全部吐いてしまうと浮袋(肺)がなくなって沈みます。
なので人間が水に浮くか沈むかの答えは、肺に空気をいっぱいためれば浮きますが、
息を吐いたら沈む、です。
但し、息をいっぱいに吸った状態でも人間の身体の比重は0.98くらいなので、
浮くと言っても全身の2%しか水の上に出ません。
そして肺がある上半身に比べて下半身は重い(比重が大きい)ので、浮くと言っても
身体は縦または斜めになって頭頂部が少し水の上に出ている、という状態になります。
つまり泳げない人は呼吸が確保できずにいずれ沈んでしまいますので、まさしく
カナヅチになります。 Y